Column23.09.04
【ニプロハチ公ドーム発着】9/16開催Good Morning Run@大館のコース紹介
おしゃべりできるゆっくりペースで5キロを走る朝のグループランGood Morning Run。
8月から10月は月に1回、秋田県大館市で開催しています。
今回のコラムでは、9月16日開催のコースをご紹介。
走りながら街の魅力を感じてもらえたら嬉しいです。
大館は日本最大級の林業と鉱山のまちだった?! 大館の林業のシンボルエリアを巡る5キロ
秋田県北部は、江戸時代から、日本でもトップクラスの秋田杉などの森林資源に恵まれるエリアでした。
そこから、伝統工芸品「大館曲げわっぱ」が生まれました。
また、秋田の郷土料理である「きりたんぽ」を焼くための「串」にも秋田杉が使われています。
大館は、大量の良質な木材が集められ、それを加工する製材所が多数できたことで、活気のある町になりました。
また、大館周辺には古くから大きな鉱山がたくさんあり、1960年代の「黒鉱ブーム」には、花岡(大館市)、小坂(鹿角郡小坂町)、釈迦内(大館市)の各鉱山からとれる銅鉱石の量が、日本のトップ3を占める時期がありました。
※黒鉱:さまざまな金属成分を含み、鉱石の中に含まれる目的の金属の含有率を示す値が高い高品質な黒い鉱石
スポット① スタートとゴール
「大館樹海ドーム(ニプロハチ公ドーム)」
1997年に建設されました。
樹齢60年以上の地元の秋田杉を約25,000本使ってつくられており、日本最大級の木造ドームといわれています。
この広大な敷地は、1907年~1914年の間、日本で最大級の「官営製材所」が稼働していました。
その後長い間「秋田杉」の苗畑が広がっていた場所でもあります。
ドームは季節や時間帯、天候や角度によって、さまざまな表情を見せてくれます。
スポット②
右手に、旧小坂鉄道の岱野(たいの)駅舎があり、レールも残されています。
旧小坂鉄道は、かつて日本でもトップクラスの鉱山であった小坂鉱山の鉱石を奥羽本線大館駅まで運搬したり、
兄弟鉱山だった、花岡鉱山の鉱石を小坂の製錬所へ運搬するためにつくられました。
鉱石だけでなく木材の運搬にも活用され、沿線の人々の重要な交通手段でした。
1909年に東北地方で初めて開業した私鉄である小坂鉄道は、2009年までの1世紀にわたって、地域経済の活性化に大きな役割を果たしてきました。
そして今、旧小坂鉄道のレールに沿って、全国に誇れる「あじさいロード」をつくることなどを目指す「岱野駅前再開発プロジェクト」が進行中です。
スポット③
狭い、まっすぐな道です。
この道は「森林軌道」という、レールを敷いて貨車で木材を運搬するミニ鉄道の跡です。
貯木場から奥地の国有林まで、約9km延びていました。
ここは「扇状地」という地形の真ん中で、ランニングコースは、森林軌道の終点だった貯木場跡に向かって緩やかな下りになっています。
スポット④
左手は、大館市のスポーツ施設「樹海体育館(タクミアリーナ)」です。
かつてはとても大きな貯木場でした。
ここに集められた木材は森林軌道で岱野駅から小坂鉄道で運搬されました。
スポット⑤
右手の建物は、「米代東部森林管理署」という、この地域の林業のシンボル的な国の役所です。
かつては「営林署」という名称で、大館・北秋田・鹿角に、なんと12署もありましたが、1つに統合され、ここに設けられました。
スポット⑥
旧小坂鉄道の踏切跡で、レールが残されています。
ここから約4Km東の廃線跡では「レールバイク」を楽しむことができます。
スポット⑦
右手は水辺の憩いを提供する「親水公園」です。
人工池の中に噴水があり、水面に映る夕陽がとてもきれいなスポットです。
池からドーム越しに見える、大館のシンボル「鳳凰山の大文字」の風景は素晴らしいです。
スポット⑧
左手は「天下町(てんかまち)」という住宅団地で、「天下道上」という住所から名付けられました。
この団地は、花岡鉱山や小坂鉱山で現役を退いた人たちのために造成されたところです。
小坂鉄道の岱野駅に近いこと、扇状地という地形の真ん中で田んぼにできないこと、といった理由から、この場所が住宅団地として選ばれました。
この町ができたわけを知ると、大館・北秋田・鹿角は、かつて日本でもトップクラスの鉱石がとれるエリアだったことが思い起こされます。
スポット⑨
上の写真が「芝生の丘」、下の写真が世界の広葉樹を集めた「語らいの森」です。
どちらも「林業のシンボル」というイメージのスポットです。
以上、9月16日開催Good Morining Runの大館コースを紹介しました。
普段ランニングをされる方は、周辺の施設情報や歴史などを調べてみると、さらにランニングが面白くなるかもしれません。
まだまだ暑い日々が続くので、体調には気をつけてランニングを楽しみましょう!